新人薬剤師1年目の頃、私は毎日こう思っていました。
「なんでこんなに仕事ができないんだろう。」
学生時代は国家試験に合格して、
「これで薬剤師として働ける。」
そう思っていました。
でも実際の現場は全く違いました。
薬の知識だけでは仕事になりません。
処方入力。
薬歴。
保険。
レセコン。
患者さん対応。
学校では教わらなかったことばかりです。
私は毎日失敗していました。
入力が遅い。
質問できない。
患者さんを待たせてしまう。
家へ帰ると、
「薬剤師に向いてないのかな。」
そんなことばかり考えていました。
この記事では、新人薬剤師だった私が「仕事ができない」と悩んでいた頃の話を、そのままお話しします。
学校では習わないことばかりだった
学生の頃は、
薬効。
副作用。
相互作用。
国家試験対策。
こういった勉強をたくさんしてきました。
でも働き始めて驚きました。
実際の仕事は、
薬の知識だけでは進みません。
入力。
レセコン操作。
保険の確認。
疑義照会の流れ。
薬歴。
学校ではほとんど習っていません。
だから私は、
処方箋を見ても手が止まることが何度もありました。
一番苦手だったのは処方入力
私が一番苦手だった仕事は調剤入力でした。
入力ルールが分からない。
コメントの入れ方が分からない。
保険の扱いも分からない。
分からないことだらけです。
患者さんは待っています。
後ろには処方箋が積まれています。
焦ります。
焦ると余計に分からなくなります。
その繰り返しでした。
私は、
「入力が遅い自分は薬剤師に向いていない。」
本気でそう思っていました。
「質問したい」が言えなかった
今思えば、
一番つらかったのは入力ではありません。
質問できなかったことです。
忙しい職場。
みんな走り回っています。
そんな中で、
「これ教えてください。」
と言う勇気がありませんでした。
新人って、
仕事より空気を読んでしまいます。
「また聞いてる。」
そう思われたくなくて、
分からないまま考え込む時間が増えていきました。
帰宅してからも仕事のことばかり考えていた
家へ帰っても、
仕事は終わりませんでした。
頭の中では、
今日できなかった入力。
患者さんへの説明。
先輩に聞けなかったこと。
そんなことばかり思い出していました。
「明日は同じ失敗をしないようにしよう。」
そう思っても、
翌日また同じところで止まります。
本当に自信がありませんでした。
仕事ができる先輩と比べてばかりいた
新人の頃は、先輩たちがみんなすごく見えました。
調剤も速い。
入力も速い。
患者さんへの説明も分かりやすい。
質問にもすぐ答えている。
「なんでこんなに違うんだろう。」
毎日のようにそう思っていました。
でも今振り返ると、先輩たちは何年も経験を積んできた薬剤師です。
新卒1年目の自分と比べること自体、無理がありました。
当時はそんなことを考える余裕もなく、
「自分だけ仕事ができない。」
と思い込んでいました。
薬歴は「うまい人の真似」をした
私が少しずつ成長できた理由があります。
それは、
薬歴を一から考えるのをやめたことです。
新人の頃は、
「自分で完璧な薬歴を書かなきゃ。」
と思っていました。
でも、それは無理でした。
経験がないからです。
そこで私がやったのは、
先輩の薬歴を読むことでした。
「この薬なら、こう書くんだ。」
「この患者さんには、こんな説明をしているんだ。」
文章の流れ。
言葉の選び方。
確認しているポイント。
全部が勉強になりました。
もちろん、そのままコピーするわけではありません。
でも、最初は真似をすることが上達への近道だったと思っています。
同期と薬歴を見せ合って勉強した
私は同期と薬歴を見せ合うこともありました。
同じ患者さんでも、
人によって書き方が違います。
「そんな視点があったんだ。」
と思うこともたくさんありました。
学生時代はテストで点数を競うことが多かったですが、
薬剤師になってからは、
一緒に成長する仲間がいることの大切さを感じました。
もし同期がいる環境なら、一人で抱え込まずに相談してみるのもおすすめです。
「仕事ができない」は一生続かない
新人の頃は、
「このままずっと仕事ができないままなんじゃないか。」
と本気で思っていました。
でも実際は違いました。
ある日突然、全部できるようになるわけではありません。
毎日少しずつです。
昨日より入力が速くなった。
昨日より薬歴を書く時間が短くなった。
昨日より患者さんへ落ち着いて説明できた。
その積み重ねでした。
だから私は、
新人薬剤師に
「今できないことだけで、自分を評価しないでほしい」
と思っています。
新人時代の私が一番意識していたこと
仕事がつらかった頃でも、
一つだけ意識していたことがあります。
それは、
「会社のためではなく、自分のために学ぶ。」
ということです。
私は会社へ尽くそうとは思っていませんでした。
少し誤解されるかもしれませんが、
会社は一生面倒を見てくれるとは限りません。
でも、自分が身につけた知識や経験は、一生なくなりません。
だから毎日、
「今日は一つ何を覚えられたかな。」
そう考えていました。
入力。
薬歴。
患者さんへの説明。
疑義照会。
全部、自分の財産です。
この考え方になってからは、
少しだけ仕事への向き合い方が変わりました。
「今日は何もできなかった。」
ではなく、
「今日は一つ覚えられた。」
そう考えるようになったんです。
その積み重ねが、転職したあとも、管理薬剤師になったあとも役立っています。
仕事ができない自分を責め続けなくていい
新人の頃は、仕事ができない自分ばかり見ていました。
入力が遅い。
薬歴が書けない。
患者さんへの説明もうまくできない。
毎日反省ばかりでした。
でも今思うのは、
新人が仕事できないのは当たり前です。
もし入社3か月で何でもできるなら、何年も経験を積んだ先輩との差がなくなってしまいます。
だから、「できないこと」があるのは普通なんです。
私も当時はそんなふうに考えられませんでした。
毎日、
「向いていない。」
「辞めた方がいいのかな。」
そう思っていました。
でも、その頃の経験があったからこそ、今があります。
私が少しずつ成長できた理由
特別な勉強法をしたわけではありません。
私が意識していたのは、毎日一つだけ成長することです。
今日は薬歴を一つ覚える。
今日は入力を一つ覚える。
今日は患者さんへの説明を一つ覚える。
全部覚えようとすると苦しくなります。
でも、一日一つならできます。
そして分からないことがあった日は、
家で少しだけ調べました。
仕事のためというより、
明日の自分を少し楽にするためです。
その積み重ねで、少しずつ仕事に慣れていきました。
「向いていない」と思った人ほど成長することもある
これは管理薬剤師になってから感じたことです。
新人の頃に
「自分は仕事ができない。」
と悩んでいた人ほど、勉強するんです。
メモを取る。
先輩の薬歴を読む。
質問するタイミングを考える。
努力を続けます。
逆に、最初から何でもできると思っている人ほど、伸び悩むこともあります。
だから私は、「今できない」ことだけで自分を否定してほしくありません。
今、新人薬剤師として悩んでいるあなたへ
もし今、
「自分だけ仕事ができない。」
そう思っているなら、まず伝えたいことがあります。
あなたは一人ではありません。
私も同じでした。
毎日落ち込みました。
家に帰って転職サイトを見ました。
「薬剤師に向いていないのかな。」
そう何度も思いました。
でも、あの経験は無駄ではありませんでした。
今でも、新人時代に苦労した経験が患者さん対応や後輩指導に役立っています。
だから、焦らなくて大丈夫です。
昨日より一つできることが増えれば、それで十分です。
まとめ
新人薬剤師1年目で「仕事ができない」と悩むのは、決して珍しいことではありません。
私も調剤入力ができず、質問することも怖く、毎日のように落ち込んでいました。
それでも、先輩の薬歴を参考にしたり、一日一つ覚えることを意識したりすることで、少しずつ仕事に慣れていきました。
そして今は管理薬剤師として働いています。
だからこそ伝えたいです。
今できないことだけで、自分の将来を決めないでください。
新人時代の経験は、必ずあなたの力になります。
もし「このまま続けるべきか」で迷っているなら、薬剤師の転職は何年目からがいいのかも参考になるかもしれません。
FAQ
新人薬剤師で仕事ができないのは普通ですか?
はい。私自身も1年目は毎日のように悩んでいました。学校では学ばない業務が多く、現場で覚えることばかりです。
入力が苦手でも大丈夫ですか?
大丈夫です。私も一番苦手でした。少しずつ慣れていく仕事なので、最初から完璧を目指さなくても問題ありません。
薬歴はどうやって上達しましたか?
先輩の薬歴を参考にしながら、自分なりの書き方を少しずつ作っていきました。同期と見せ合って勉強したことも役立ちました。
仕事がつらいときはどうすればいいですか?
一人で抱え込まず、信頼できる先輩や同期、家族に話してみることをおすすめします。私は転職サイトで求人を見て、「今の職場だけがすべてじゃない」と思えたことで気持ちが少し楽になりました。
新人薬剤師の頃は、毎日「仕事ができない」と落ち込んでいました。
それでも今振り返ると、あの経験があったからこそ成長できたと思っています。
もし今、一人で悩んでいるなら、「自分だけではない」と知ることから始めてみてください。
そして、今の職場だけがすべてではありません。
選択肢を知ることも、前向きな一歩になることがあります。
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